岩手大学内での地域猫活動

★地域猫活動の近況こちら 


なぜ地域猫活動が必要なの?

岩手大学の構内には活動開始前には、30頭近くの野良猫が生息していました。

そのかわいい姿は私たち学生や地域の人を和ませてくれる側面もありますが、
猫たちにとっては必ずしも幸せな状況とはいえません。

餌は常に豊富にあるとは限らず、冬場は氷点下10度以下の寒空の下、凍えて暮らさなければいけません。
現に毎年、寒さのために相当数の猫が死亡しているようです。それもまだ小さな子猫が中心です。

また、交通事故にあったりカラスに狙われたりし亡くなってしまう子たちも毎年相当数見つかっています。

ねこさん1

「野生動物なのだから、自力で生きていけなければ死ぬのは自然なこと」と言う方もいます。
しかし現代の日本で、猫たちは野性動物といえるのでしょうか?
猫たちが帰るべき自然がありますか?


猫たちは元々、砂漠で暮らしていた動物です。
現代社会の環境は、それと大きく違い、車に轢かれたりと事故にあうことも多く、餌となる小動物や虫も自然条件より少ないでしょう。
すみかを追われたり、虐待されたり、捕獲され殺されることもあります。
そのような環境下に猫たちを連れてきたのは、人間です。

人間による飼育・繁殖・育種改良が長年行われてきた結果、猫の性質自体も変化しました。
人に飼われるのに適した性質を獲得した一方で、自分で狩りをして自分で生きていく能力は、完全な野性時代より劣っているでしょう。
それは、猫たちが人間によってもたらされた環境の変化に適応した結果 なのです。

そのような経緯を経て、今の大学内のような環境で猫たちが増えては死んでいくことを、
「野性動物だから放っておくべき」とか、「邪魔だから排除しよう」と言うのは、筋が通らない話だと思います。
(中には、猫が環境を汚したり、元々いたリスなど小動物を害するから排除しよう、つまり保健所などで処分させようと考える人もいるのです。)

学内の猫は自然発生した訳ではありません。必ずどこかから人が持ち込んだ結果です。
邪魔になったから殺して排除すればいい、というのは、道義としてどうなのでしょうか?

私たちは、そのような短絡的で身勝手なやり方ではなく、人道的な方法で共生を図る 道を探したいと考えました。

ねこさん2


具体的には、
TNR(去勢避妊手術による繁殖コントロール)が最も重要となります。

去勢避妊なんて残酷な、と考える方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、猫は自然にしておくと加速度的に頭数が増えます。
(一生のうち400頭以上の子を産んだ母猫もいるそうです!)

頭数が多くなるほど不幸な子の数も多くなり、
人が餌やりなどのお世話をするのもより難しくなり、
猫による周辺環境への被害も大きくなります。

☆ 増えすぎないよう対策した上で餌やりなどのお世話をし、人も猫も皆が幸せに生きていけるようにする ☆
というのが理想です。
このような考えから、TNRは世界各地の地域猫活動団体によって行われてきています。


私たちは、 2013年夏から学内でTNRを開始し、併せて餌やりなど日々のお世話も開始しました。
学内の衛生関係部署、大学周辺町内会の皆様、盛岡市保健所のご理解とご協力の上で活動を行っています。
また、動物いのちの会いわて様、協力動物病院様には、多大にお世話になっております。


また、「岩手大学で地域猫活動を行う」と公言するに際して、
皆様にご理解いただきたいことが一つあります。

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活動状況報告 

2013.09 本格的に地域猫活動が始動しました。
 ●エリアN・PのTNR :♂1匹( グレ)、♀5匹(ペケラムシマトラミバニラ)を不妊去勢しました。
 ●譲渡(里親探し) :グレ、シマ、バニラ、ナッツを保護し、里親探しを開始しました。
 ●餌やり、トイレ掃除など日頃のお世話 を開始しました。

2013.10   エリアCのブチが出産しました。
 →TNRが間に合わず、産まれた子猫が発見されました。
  産まれたラテ・オレオ・フランを保護しました。
  3匹は12月より里親探しを開始し、1月に無事それぞれ里親さんが決定しました!

2013.10下旬  エリアCのTNRを行いました。
 ●TNR :♂1匹(小雪)、 ♀4匹(ブチホル・しずく )を不妊去勢しました。
 ●譲渡(里親探し) :小雪・ホル・しずくを保護し、里親探しを開始しました。
 ●餌やりなど日頃のお世話 :エリアCでも開始しました。



★今後の地域猫活動について★
大学内でのTNRは、これで一通り終了となりました!

現在、元の生活エリアに戻した地域猫たち9匹に、餌やりやトイレ、冬のシェルターの提供を行い
できるだけ良い条件で暮らせるようお世話しています。


★譲渡(里親探し)について★
別ページ にまとめました。


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